『桃鉄2017』を100年遊び終えて、改めてシリーズから”増資”ができなくなった理由を考えてみる。


桃鉄_増資がなくなった理由

桃鉄から増資が無くなった理由を考えてみる

昨年末に購入した3DSの『桃鉄2017』。ふと無双プレイがしたくなって、CPUのさくまと楊貴妃を入れた3名で100年遊びました。序盤は接戦だったものの、40〜50年を過ぎたあたりからトップが安定しだして、終盤は「全物件独占達成」「全駅達成」とやりたい放題。まさにブッチギリでした。

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圧倒的大差での勝利。これが資本主義だ!(違)

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増資が無いので、お金が余りまくりです

最近の桃鉄シリーズは同じ物件を複数回購入する、いわゆる”増資”システムが廃止されているんですが、スーファミ時代からの同作のファンとして、僕は増資が無くなってしまったことをずっと寂しく思ってました。ただ実際に100年通して遊んでみたところ、ゲームバランスを取るために増資を無くしたのは正解だったのかも、と感じたのです。(まあ、昨今の桃鉄シリーズがバランス取れてるかというのはまた別の話ですが、今回はテーマを増資に絞ります)

そんなわけで、桃鉄シリーズから増資が無くなってしまった理由を考えたいと思います。

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『桃鉄』から増資がなくなることで起きる現象とは

『桃鉄』から増資が無くなって起きる現象とはなにか。それは、とにもかくにも「持ち金が余る」ということに尽きます。ストレートに言ってしまえば、お金の使い道が無くなるのです。

僕は今回『桃鉄2017』100年プレイを通して全物件を独占し、約120兆円という資産を築きました。そのうち細かい数字までは覚えていませんが、90兆円くらいは持ち金だったと思います。

今回の100年プレイで独走態勢に入った終盤、僕はそんな大金を持ってひたすらマップをウロウロしていました。どこぞの貧乏神は「現金が無いと倒産怖いのネン♪」なんて言いますが、『桃鉄』シリーズにおいて持ち金を大量に持ち歩く行為は危険以外の何物でもありません。

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終盤はパトカードが必須。持ち金が余っている時の銀次はヤバすぎる

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夢の桃太郎ランド。全物件の収益率が5%アップという鬼の効果を持ちます

増資が無くなったのは、ゲームの逆転性を維持するためなんだろうなあ

スリの銀次、持ち金0円カード、ベビキュラーカード、一頭地馬を抜くカードなどなど、『桃鉄』には持ち金にドラスティックな影響を与えるイベントやカードが山ほど用意されています。個人的に特にヤバいと感じるのは、相手の持ち金を全て奪ってしまう坊主丸儲けカード。このカードを使われてしまったら、独走していた僕でさえ、数十兆円の持ち金が奪われてあっという間にトップから転落することでしょう。クソゲーやないか!w

ただ逆説的に考えると、独走態勢に入ったプレイヤーを2位以下のプレイヤーがいつでも出し抜ける、逆転要素が常に用意されているとも言えます。従来の桃鉄シリーズにあった増資は、「持ち金を安全に資産へと変換できる」「毎年の収益が増える」「万が一売ることになっても売却価値が高い」など、基本的にお金持ちのプレイヤーをより有利にさせるためのルールでした。増資をして巨額の収益が入るようにすれば、例え銀次やなにかのカードで持ち金に大ダメージを受けても、何度か決算を迎えればたちまち回復していたのです。『桃鉄』の過去シリーズではぶっちぎりの差を付けられると、キングボンビーを数回直撃させても逆転はほぼ不可能でしたからね。

そういう意味では増資システムの廃止によって、ゲーム終盤まで緊張感を持ってプレイできるようになったと言えるのかなと思います。

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最後は何連続で目的地に入れるか挑戦してましたw

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今回も歴史ヒーローは鬼の強さを誇ります。是非も無し!

ただし、結局カードバンクが逆転を難しくしているというジレンマ

桃鉄シリーズから増資が無くなった理由のひとつを「ゲーム終盤の逆転性を維持したかったから」と仮定して話を進めます。ただし、『桃鉄2017』で逆転性が高かったかと聞かれると、う〜んと唸らざるをえません。それはカードバンクがあるからです。

一応、カードバンクについて軽く説明しておきましょう。カードバンクとは、プレイヤーが持っているカードを預けることができる機能です。預けたカードはプレイヤーに行動順が回ってくる毎月、ターンの消費をせずに取り出すことが可能。進行形カードを預けておけばいつでも素早い移動ができますし、強力だけどカード袋を圧迫しがちなダビングカードやゴールドカードといったものを預けておくのも便利です。

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喉から手が出るほど欲しいゴールドカードを・・・

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豪快にポイ♪それくらいお金が余ります

持ち金を大量に余らせているプレイヤーをトップから引きずり落とすには、持ち金に大ダメージを与えるカードを使うのが1番なわけですが、『桃鉄』では「手に入れたカードを使えるのは、最速でも翌月から」という絶対的なルールがあります。つまりトッププレイヤーはカードバンクに、逆転の目となるカードを奪取or破壊する刀狩りカードや豪速球カードを忍ばせておけば安全ということになり、これによってドラマティックな大逆転は起こりづらくなってます。

もちろんカードの枚数にも限りがあるので、2位以下のプレイヤーが結託すれば防ぎきるのは難しいでしょうが、そんな強力なカードが早々出てくる可能性は低く、かなりハードルの高いチャレンジとなることでしょう。 (反対に2位以下のプレイヤーがトップが刀狩りなどを用意する前に、逆転に必要なカードをバンクに預けることができれば相当有利になります)

個人的にカードバンクはちょっと強すぎたかなーって印象を受けました。いや、あるとめちゃくちゃ便利なんですけど!活用しまくりでしたけど! 全国に何箇所かカードバンク駅を設置して、そこで預けるor引き出すができるという形にすればまたゲーム性も大きく変化しただろうなあ。対人戦なら、カードバンク禁止の縛りを付けるだけでも、また面白くなりそうですね。

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すべての駅への立ち寄りも完了。ゲーム終盤は完全に無双してました

桃鉄_増資がなくなった理由

文豪ラリーも無事に達成。苦労のわりに賞金は少ないので、ほぼ趣味ですw

増資がなくなっても、やっぱり桃鉄は楽しかった!

ちょっと話が逸れましたが、桃鉄シリーズから増資が無くなった理由っていうのは、ゲームバランスを考慮してだったんじゃないかなという話でした。随分前の過去作ではメカボンビーが廃止になったりもしましたが、それと同様にゲームが消化試合になるのを防ぐための一つの手段だったんじゃないかなって思います。

個人的には増資大好きですし、出雲や盛岡を3段階まで増資して「ここは俺の土地っ!(ドヤっ)」するのが『桃鉄』をプレイするたびの目標ではあったんですが、まあ増資廃止までには色々な議論があっただろうし、仕方ないかなって感じ。なにより2度と出ないと言われていた『桃鉄』の新作を堪能できただけでも、関係者の方々に感謝したいです。

『桃鉄2017』は累計20万本以上売れてますし、来年とは言いませんが数年ペースでこれからも新作が遊べると嬉しいですなあ。

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本職はゲームライター。お仕事とは別に、個人の趣味でゲームの話題に触れていくブログ「その日草子」を運営中。大作RPGから格ゲー、ギャルゲーまでジャンルを問わないアラサー♂。けどホラーだけは苦手。お気に召した記事やお役に立てた記事があればシェア頂けると喜びます(・ω・)
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