【前編】今更だけど、なんでソシャゲってみんな似たりよったりなのか考えてみる
なんで無料のソシャゲってこうも似てるんだろう
お仕事としてほぼ毎日新作のソシャゲを遊ぶようになり、もう50本近くまでプレイしたのですがどのソシャゲも正直似たり寄ったりで最近はかなり食傷気味になってしまいました。結局、どのソシャゲもガチャが〜とか、合成が〜とかで似たり寄ったりなんですよね。
なんてエラそうな事を書いてますが、僕は別のお仕事でゲームプランナーとしてゲームの仕様を作った際に「どのソシャゲもほとんど似てるから、オレはまったく新しいゲームを作ってやるぜ!」と意気込んで、ガチャや合成を無視したゲームを作ったところ、まったくもってゲームとして成立せずに大失敗したという経験があります。テヘペロ。
今日はお休みでちょっと時間もあったので、今更ではあるんですがなんで無料のソシャゲはどれもこれも似たり寄ったりなのか書いてみたいと思います。お暇な方や、「将来ゲームを作りたいなー」なんて思ってる方の参考になれば幸いです。
ソシャゲって毎月、いくらお金がかかるの?
さてさて、突然ですがあなたはとある会社のゲームプランナーです。ある日会社のエラい人から「我が社もソシャゲ業界に参入するから、無料(課金あり)タイプで売れそうなゲームを作ってくれ」と言われたとしましょう。あなたはどんなゲームを考えるでしょうか。
まず、いくら”無料”といっても収入が無ければソシャゲは運営することができません。ソシャゲの運営にかかる人数はピンキリなので一概には言えませんが、毎月のイベント内容やパラメータを決めるプランナー、イラストやUIを担当するデザイナー、ユーザーサポート担当者、プログラマーあたりが必要になってきて、まあ今回は適当に10人としましょうか。(もちろん大規模ソシャゲはもっともっと多いんですが、あくまでキリの良い例ということで)
そんな10人を毎月雇うにはどれくらいのコストが必要なのでしょう。いわゆる人件費ってやつです。人件費はその人のお給料だけじゃなく、その人が会社で働くための家賃や光熱費、社会保険なんかも考慮する必要があります。これも会社によってピンキリですが、計算しやすいように一人あたり毎月50万円と設定しましょうか。なので運営体勢10人のソシャゲを維持するためには、最低でも毎月500万円以上の利益が必要になります。
さらにソシャゲは毎月の人件費だけでは運営できず、可愛い美少女イラストとかキャラクターのボイスといった素材費が必要になってきます。そのうえ、運営中に「ギルド機能を追加するぜ!」など新しい機能を追加するとしたら増員するプログラマーの人件費も必要になります。んー、ここもピンキリで金額はかなり上下するんですけど、適当に毎月100万円としておきましょうか。先ほどの人件費を加えて、ソシャゲを運営するには毎月600万円以上の利益が必要になってしまいました。
ソシャゲの運営に必要な売上を計算してみよう
次に考えたいのはソシャゲの利益率。この600万円の利益を稼ぐには、いったいいくら売上が必要なんでしょう。適当にサイバーエージェントさんの決算資料をググってみたところ、ゲーム事業は売上高306億円、営業利益83億円とありました。ちょうどいいのでここの数字をお借りして、ソシャゲの利益率は30%に設定しましょうか。
【参考記事】
2016年9月期第3四半期決算説明会資料
さてさて、利益率30%のソシャゲで毎月600万円以上の利益を稼がないといけないわけですが、それに必要な売上はいくらでしょうか。ここは単純計算で一発で計算できますね。そう、毎月2000万円の売上が必要になります。
大雑把な計算を長々としてきましたが、なんとなくソシャゲを運営する上で必要なお金のイメージが付いてきましたでしょうか。話を冒頭に戻すと、あなたは会社のエラい人に無料ソシャゲを作ってくれと頼まれたゲームプランナーです。で、ソシャゲを事業として成立させるためには毎月2000万円の売上が必要です。となったらもう、結論は一つ。
「ガチャを入れて稼ぐしかねえっ!wwww」
というわけで、無料ソシャゲにはガチャが入るわけですね。ちょっと長くなってしまったので、次回に分けます。
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