【思い出ピコピコ】戦国BASARA2
すっかり人気ジャンルに成長した戦国BASARAシリーズ。特に女性ファンの取り込みに成功した本シリーズはゲームの枠を飛び越え、実在の歴史観光にまでその人気を広げました。ぶっちゃけどこからどう見てもKOEIの無双シリーズから来ているとは思うのですが、BASARAシリーズならではの歴史観で、完全に無双シリーズと異なるマーケットを作り出したと思っています。カプコンって、こういう素材の調理方法も上手だなぁと思います。セガの「ファンタシースターオンライン」から来た「モンスターハンター」しかり、最近の事例だと「ドラゴンズドグマ」しかり。
特に戦国BASARAシリーズの中でも、”独眼竜”伊達政宗の描き方はぶっ飛んでいます。世間一般でイメージされている隻眼はそのままに、六本もの剣を振り回しながら「レッツパーティ!」と片言の英語を混ぜてクールに喋るその様は、一見ギャグにしか見えないのですが慣れてくるとなんだか格好良く見えてくるという、非常に魅力的なキャラクターです。
この描き方は歴史好きの方からすると顔をしかめてしまう面もあるかと思いますが、戦国BASARAをキッカケに歴史に興味を持つ層も誕生しているので、デメリットばかりではないと考えています。歴史に限らずどんなものでもそうですが、新規層を取り込んでいかない限り、そのジャンルは途絶えてしまいます。新規層が入ることで変容も起こりますが、その変容を楽しむのもまた味ではないのかなぁと。途絶えるよりは変容しても残っていく方が幸せなのではと思います。ちなみに僕は大学では日本史の専攻をしていました。専門は伊達政宗が活躍した時代より若く、奈良時代あたりの縁起物についてやっていました。ちょうど、「日本書紀」とか「続日本紀」という歴史書を読んでいましたね。割と歴史好きな僕ですがBASARAシリーズの歴史観も違和感なく受け入れています。
今回、このゲームを取り入れた理由なのですが、この土日に仙台に行っていました。仙台はご存知、伊達政宗が治めた街として知られています。その仙台の「瑞鳳殿」という、伊達政宗が眠るお墓に立ち寄りました。
老木に囲まれた石階段を上った先に伊達家三代のお墓があり、お墓の中に副葬として埋められていた道具や発掘調査のビデオなんかを見てきました。ストレートな表現をすると、伊達家三代、それぞれの遺体が埋葬されているお墓を掘り起こして中に入っているものを調査するという、中々ショッキングな映像が流されていました。発掘調査は今から30年近く前に行われたらしく、お墓を開けたばかりの写真なんかも展示されていました。
伊達政宗の遺骨や遺髪、装飾品なんかを見学しながらふと、「伊達政宗も死後に自分の知らない時代でBASARAの様に描かれるとは想像もしなかったろうな」なんて思いました。それが本人にとって、名誉なことか不名誉なことかは分かりません。『俺は片言の英語なんて喋らない!』なんて怒ってるかもしれないし、『BASARAの伊達政宗より、実在した伊達政宗の方が100倍カッコよかった』なんて自慢しているかもしれません。
戦国~江戸時代を駆け抜けた男が眠る場所。繁華街より幾分ひんやりとした空気が漂うその中で手を合わせた僕はなんとなく、(帰ったら久々にBASARAでもやろう)なんて思ったのでした。
伊達政宗! アーユーレディ!?
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