マイホーム革命
チリリリン♪
その日僕がドラクエ10にログインすると、お知らせを運んできてくれるドラキーが「郵便局に荷物が届いているよ~」と教えてくれた。きっと昨晩ログアウト前に出品した素材が競売で落札されたんだろう。僕は落札された商品の代金を受け取りに郵便局に向かった。
オルフェアの中央部に位置する通い慣れた郵便局で、僕は顔馴染みの局員に声をかける。
「代金受け取りにきましたー」
「お、しとぎさん。今日は大きな荷物が届いているよ」
そういって局員はよっこらせと大きな荷物を引っ張り出してきた。もちろんこれはゲームの話だから実際にそんな描写は無かったわけだけど、受け取ったアイテムを見た僕は思わず目を丸くした。
届いたアイテムは前回に取り上げたマイホームに設置できる家具だった。驚いたことにベッドとタンスと、それに来客時にメッセージが残せるスライムチャイムの合計3つも送られていた。
慌てて差出人を確認するともう長いことお付き合いのある、とあるフレンドさんからのプレゼントだった。このフレンドさんはベテランプレイヤーで、この世界のことにも非常に詳しい・・・と僕は勝手に思いこんでいる。
僕はコントローラーを操作し、フレンドのログイン状況を確認する。幸い、彼はログイン状態にあり、僕はすぐさまキーボードに指を走らせた。
「こんばんはー!なんか色々頂いちゃってすみませんー!」
するとすぐに返信が。
「いえいえ、おうちに遊びに行ったのですが、本当に何も無い部屋だったので、送り付けましたw」
そう、僕のマイホームは購入から数ヶ月経っても、家具の1つも置いていない、なんとも殺風景な建物であった。購入してそのままほったらかしになり、気付けばそのままになっていたのだ。
せっかく家具を頂いたのだ。僕は心からお礼を述べ、急いでマイホームへと向かった。そして玄関のドアをガチャン!と勢い良く開けて、マイホームの管理人を呼び出す。
「管理人さん! 早く!早く!」
「んー、どうしたんですか、そんなに慌てて・・・」
相変わらず仕事が無い管理人さんは昼寝をしていたのか、ボンヤリと返事を返す。僕は彼女の眠気を吹き飛ばすほどの荒い息で、一気に捲し立てた。
「家具を・・・家具を設置したいのですが!」
「!!!!?」
瞬間、管理人さんの目の色が明らかに変わった。
「家主様! 今なんと!?」
「家具を! 家具を置きたいのです!」
「家具ですか!? 置きましょう! 置きましょう!!」
「はいっ! 家具を置きましょう!」
僕と管理人さんは妙な興奮を覚えながら家具を設置した。二人で「せーのっ!」と息を合わせ、ベッドを運び、タンスを置き、入り口にスライムチャイムを立てた。
「おおっ!」
「おおおっ!!」
その光景に二人で歓声を上げる。なんということでしょう。あんなに殺風景だったお部屋がこんなに華やかに。
僕は思わず、「嫁よ! 見てくれ!」と同居人を呼んだ。彼女はあまりゲームを遊ばないが、僕が毎日狂ったようにゲームで遊ぶのでなんとなくの知識は付いていた。僕がドラクエ10を映しているディスプレイを指さすと、彼女もその光景に「おおっ!」と声をあげた。
「ついに、しとぎのお部屋にお布団が・・・。良かったね、これで毎晩酒場にお泊まりしなくて済むね・・・!」
良かった良かったと嫁が目頭を抑える。別に住む場所が無いわけじゃなく、サポート仲間登録のために毎晩酒場に預けていたのだが、嫁にはそれが「住む場所がない可愛そうな人(?)」として映っていたらしい。
「それでは、さっそくベッドに寝てみたいと思います!」
僕は管理人と嫁が見守る中、ベッドの近くに立ちAボタンを押す。すると、HPとMPが全回復したではありませんか!
「うおっ!? マイホームのベッドで寝ても回復するのか!!」
冗談だと思われる方もいるかもしれないが、僕は本当に知らなかったのである。さらにタンスを置いたことで、アイテムもこれまで以上に収納できるようになった。なんて便利なんだ、マイホームというものは! 持ってて良かったマイホーム!
さて、2013年5月16日は過去最大のアップデートとも言われる、ver1.4の配信日である。
しかし僕にとってはこの「マイホーム家具設置事件」が過去最大のアップデートとなってしまった。
いやあ、本当に驚いた。
笑った笑った。
家具のプレゼント、本当にありがとうございましたー!
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