『アナザーエデン』プレイレビュー。マルチ要素ゼロ&ソロプレイ専用というスマホアプリの域を超えた良質RPG
スマホRPGの中でも異彩を放つ、『アナザーエデン』感想とプレイレビュー。
僕は仕事柄、ここ1年で200本くらいスマホアプリを遊んでいるのですが、その中でぶっちぎりの出来だと確信しているのが、本日サービス開始になったWright Flyer Studiosの『アナザーエデン』です。
この作品の凄いところは、スマホアプリでありながらも従来のRPG要素を余す所なく入れていて、さらにソシャゲにありがちなギルドやレイドボスみたいなマルチプレイ要素を全て取っ払ったこと。スマホアプリなんでガチャだけはありますが、それ以外は従来のゲームファンが楽しんできたロープレとまったく変わらないんです。
なんかもう、スマホアプリのレベルを軽く超えちゃってるし、こういう作品はしっかり世の中に広がってほしいので、プレイした感想なんかを書いていこうと思います。あ、作品の根幹に触れるネタバレは無いのでご安心を!
シングルプレイ専用スマートフォンRPG「アナザーエデン 時空を超える猫」イメージPVです。
2017年4月12日(水)リリース。加藤正人(シナリオ/演出)、光田康典(OPテーマ)、土屋俊輔 マリアム・アボンナサー(コンポーザー)、高大輔(プロデューサー兼ディレクター)公式Twitter:https://twitter.com/rpg_AE
公式サイト:https://another-eden.jp/
現在、過去、未来という3つの世界を行き来する時空を超えたストーリー
『アナザーエデン』のシナリオや演出を手がけているのは、「クロノトリガー」や「クロノ・クロス」、「ゼノギアス」といったスクエニ黄金期の名作を担当した加藤正人氏。この時代のRPGが好きな人なら、本作との相性もバッチリかと思います。
「クロノトリガー」は現行機の3DSにも移植されています。「FF」シリーズの坂口氏と「ドラクエ」シリーズの堀井氏、そして「ドラゴンボール」で知られる鳥山先生による夢の共演は豪華すぎるとして、物凄く話題になりました。その魅力は今でも色褪せていないので、未プレイの方はぜひ!(というか新品にはプレミア価格が付いちゃってる・・・)
さて、『アナザーエデン』では時を超えるワームホールに飲み込まれた主人公が、3つの時代を行き来しながら冒険を進めていくという、ロマンあふれるストーリーが広がっていきます。僕自身、βテストで公開されていた範囲までしかまだ遊んでいませんが、主人公の眼前に広がる未来世界の光景は何度見てもワクワクさせられました。
スマホRPGってよくストーリーの良いところで「続きは次回アップデートで!」みたいなことになるんですが、『アナザーエデン』は最終章を含んだ全26章がリリース時点で公開されちゃってます。え、いいの? スマホアプリなのに? いきなりラストまで遊べちゃうの? これから運営どーすんの? なんて、心配せずにはいられないのですが、きっと新たな追加ストーリーを用意してくれているのでしょう。うーん、こんなアプリ、見たことない・・・w
RPGとして”当たり前”のことがちゃんとスマホでもできる喜び
『アナザーエデン』を遊んでいて驚いたのが、「全ての村人とお話できる」、「フィールドを自由に探索できる」、「住宅のタンスを調べられる(笑)」など、僕たちゲームファンがRPGを遊ぶ上で当たり前のようにやってきた行為がしっかりできるようになっていること。紙芝居形式のアドベンチャーパートだけで物語が進むスマホRPGが多いなか、ここまでフィールドや街の住人を作っていることがまず驚きです。
スマホには十字キーがないのでキャラの移動がしにくいかなと思ったのですが、マップは横軸と縦軸がくっきり分かれる構成になっているため、上下左右のスワイプでゴチャつかずに移動できます。また街の住人に話しかけたり何かを調べたりする際は、わざわざそこに近づかずに対象の「!」マークをタップすればOK。ここらへんの操作は十字キーが付いている据え置きのコントローラーよりも直感的に操作できて、スマホならではの利便性と言えますね。
ロード時間無し&倍速対応のおかげで、ザコ敵とのバトルは想像以上にサクサク!
『アナザーエデン』はフィールドを歩いていると、ランダムエンカウントでザコ敵とのバトル画面に移行するんですが、この時に発生するロード時間が皆無でゲームのテンポを崩しません。バトルシステムは各ターンごとにキャラクターの行動を選択するコマンド式を採用していて、通常攻撃だけ使うのであれば”攻撃”ボタン1回のタップでパーティ全員の行動が決められます。倍速機能もあるので、ザコ戦は本当にサクサク。エンカウントから勝利後の復帰までで数十秒で終わっちゃうぐらい。
それと、これも一般的なRPGでは常識ですが、戦闘が終了してもパーティのHPやMPは回復しません。ただし6人パーティのうち、2人はサブメンバーとして戦闘に参加しない代わりに毎ターンHPやMPが回復するという仕組みが用意されています。メンバーチェンジは戦闘中いつでもできるので、MPを節約したくなったキャラはサブに下げるといった、プレイヤーに工夫の余地が残されているのもグッド。ここらへんの凝った仕組みは、家庭用ゲームのRPGと比べても遜色ありません。
また一部のフィールドには”フィアー”という、初見で出会ってもまず勝てないであろう敵も出てきます。フィアーに出会ったらもう、逃げるしかありません。フィアーの後ろには宝箱があったりするので、きっとある程度レベルが上がった段階で再戦できるんだろうと思います。何が入っているのか楽しみ!
スマホなのに”ホーム画面”や”フレンド”が存在しない、完全シングル専用プレイアプリ
冒頭にも触れた通り、『アナザーエデン』にはソーシャルゲームによくある、”ギルド”や”レイドボス”といったマルチプレイ要素がありません。それどころか”ホーム画面”や”フレンド”すらないんです。この時代のスマホアプリにはとても珍しいことに、『アナザーエデン』は完全にシングルプレイ専用として作られています。
マルチプレイって流行るのも理解できるし実際面白いんですが、仲の良いフレンドの救援依頼には逐一答えないと気まずいし、誰かのマイキャラがその時のガチャの当たりキャラになってると自分もガチャを引きたくなっちゃったりして、ゲームタイトルによってはちょっと息苦しさを感じる要素にもなると僕は考えています。「仲間と協力する」というマルチプレイの醍醐味が、いつのまにか相互監視社会のようなプレッシャーにすり替わってしまう。そんな経験、誰もがあるんじゃないでしょうか。
気軽に”あの頃”のRPGを求めている人にこそ、遊んでもらいたい
『アナザーエデン』はシングル専用なので、ゲームの始めにプレイヤー名を決めることすらしません。スマホアプリなのでガチャはありますが、ゲーム内で自慢できる場所すら用意されていません。完全に遊ぶ人それぞれのペースで遊べますし、オフラインゲームのような作りになっています。
ストーリーは時空を超えて冒険する王道ファンタジー という内容で、最終章まで公開されているからちゃんと”全クリ”できるし、スマホ特有のシンプルな操作性とサクサク進むバトルシステムで、隙間時間でもバッチリ遊べる。こんな素敵なRPGが無料で遊べるんです。え、本当に大丈夫これ?w
こうして書いてるだけで不安になってきます。でもきっと、それだけゲームの内容に自信があるのでしょう。実際、僕がこれまでプレイしてきた数々のスマホRPGの中で、ぶっちぎりに面白いし、よく出来ています。
「気軽にゲームしたいけど、ソシャゲはちょっと疲れちゃった」なんて人や、「昔のRPG、もっかい遊びたいなあ」なんて思ってるゲームファンにこそ遊んでもらいたい『アナザーエデン』。ゲーム画面を見てピン!と感じるものがあった人は、ぜひダウンロードしてみてください。
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