ラーメンマンとアクセサリー


a0960_006082_m

その日も僕はせっせとver2のストーリーを進めていた。ドラクエのストーリーはいつも続きが気になって仕方ない。ガンガン進んでいこう。

まずは酒場でサポート仲間を雇う。サポート仲間の存在は非常に大きい。これがあるからストーリーが進められるというものだ。頼れる仲間を探して酒場のオヤジとやり取りを行う。さてさて、誰に助けてもらおうか。

数分後、3人のサポート仲間と合流することができた。構成は僕が武闘家で、他にバトルマスター、魔法戦士、僧侶と続く。魔法戦士に強化してもらって僕とバトルマスターがひたすら殴るという物理構成パーティーだ。バイキルトがかかった状態での攻撃は楽しいものである。むしろバイキルトがないと最近は物足りなさを感じてしまうようになるから、人間って贅沢なものだ。もしバイキルトが無くなったらどうなってしまうだろう。きっと、

「うぅ……バイキルト……バイキルトをくれぇ……」
「おじいさん、バイキルトは3日前に食べたでしょ?」
「うぅ……バイキルトぉ……バイキルトぉ……」

なんて状態になってしまうんじゃないだろうか。いや、さすがにそれは無いか。第一、バイキルトは食べ物じゃない。でもなんていうか、食べると元気になる食べ物ってのはありますよね。学生時代に一人、やたらラーメンが好きだった友人がいたのを思い出した。小太りで細い目の笑顔が眩しい彼はやたらと、

「俺はラーメンが好きだ。ラーメンが大好きだ」

なんていつも力説しては、近所のラーメン屋開拓に力を注いでいた。いつもは緩慢で、言葉悪くいうと”色々トロい”感じの彼なんだけど、

「俺はラーメンを喰うと、食後10分間パワーアップすることができる」

なんて豪語していた。

a1180_015486_m

ある日、一緒にラーメンを食べる機会があった時のこと。食後、僕はそのパワーアップとやらについて聞いてみた。

「さて、念願のラーメンを食べたわけだけど、どうパワーアップしてるんだい?」
「ふふふ、仕方ない。見せてやろう」

彼は唇の端をニヤリと歪めると、僕に対して正面に向き直った。そして、

「見よ! 普段の俺では想像も付かない、この俊敏な動きを!」

といいつつ、いきなり超高速な反復横跳びを始めたのである。そのあまりの意外性に僕は腹を抱えて笑ってしまった。なんでこの友人は真顔で少し首を前に突き出しながら反復横跳びをしているのか。意味不明すぎて笑い転げてしまった。(その後彼は食後の急激な運動のせいか腹痛に苦しみ、悪いと思いながらも僕は再度笑い転げた)

彼にとってラーメンはピオリムだったのかもしれない。元気かな、彼は。

どうでもいいことで文字数を使ってしまった。まったくドラクエ関係ないじゃないか。話を戻します。サポート仲間を雇いましたよ、って話です。

雇われたサポート仲間は画面右下に名前とHP、MPが表示されるわけですが、そこで僕は思わず画面を二度見してしまった。仲間の内、魔法戦士のHPがやたら高いのだ。レベル80ぐらいだったと思うがHPが500もある。武闘家の僕で大体400ぐらい。一般的に武闘家のほうがHPが高いわけだしこの差は異常だ。一応、僕のキャラもパッシブスキルもある程度は取得済み。多少の取りこぼしはあるがHPが100も離れるようなことは無い。

不思議に思った僕はその魔法戦士のステータスを拝見した。パッシブスキルは似たり寄ったりだ。装備にいくつかHPアップが付いていたが、むしろ差が開いた原因はアクセサリーだった。大地の大竜玉など知らないアクセサリーがズラリと並んでいる。胸と腰については、そんなカテゴリありましたっけ?と思うくらい僕は存在に気付いていなかった。

a0011_000231_m

なるほど。ステータスの差はアクセサリーか。僕は次に自分のキャラクターのアクセサリーを確認した。するとマイキャラの指には2012年に獲得したひらめきの指輪がキラリと光っているではありませんか。まだ低レベルの頃、アストルティア各地に散らばる黒宝箱内の小さなメダルを求めて、ひたすらモンスターから隠れて逃げ回って死に物狂いでゲットしたひらめきの指輪ではありませんか。なつかしいなぁー。

その後、僕はすごろくやらなんやらで最低限のレベルではあるけれどアクセサリーを揃えた。レベルも上がり、最大HPが500に届くようにもなった。目に見える成長というのはやはり嬉しい。僕は意気揚々と次なる冒険に出かけ、そして強大なボスと戦い……

『痛恨の一撃! 800ダメージ』
「500じゃ足りねえ! 全然足りねえっ!!」

思わずゲームパッドを握りしめて絶叫することになるのだが、それはまた別のお話である。

The following two tabs change content below.
洋菓子

洋菓子

本職はゲームライター。お仕事とは別に、個人の趣味でゲームの話題に触れていくブログ「その日草子」を運営中。大作RPGから格ゲー、ギャルゲーまでジャンルを問わないアラサー♂。けどホラーだけは苦手。お気に召した記事やお役に立てた記事があればシェア頂けると喜びます(・ω・)
スポンサーリンク