引っ越し先で新しくドラクエ10を繋ぐ時は注意しよう。
さてさて何から書けばいいのだろう。ちょっと日が空いてしまったので色々な感覚が鈍っている気がする。
先月末、なんとか無事に引っ越しも終わり新居でのネット開通工事も完了した。引っ越し間際は「ネットが無いと生きていけないっ!」なんて騒いだりもしたがこれでもう一安心だ。
Wii Take Photos / austinpaulwhite
モデムやルーターなんかの設定をオロオロとこなした後、僕は「ヨシッ」と気合を入れてwiiの電源を入れた。wiiのメニュー画面がディスプレイに表示され、「ホワワワワ~ン」と気の抜けた起動音が室内に響く。良かった。たまに引っ越しの際にゲーム機を壊してしまうという、まるで悪夢のような話を聞くけれどその心配も無かったようだ。
僕はすっかり安心し、無意識にホワワワワ~ンと気の抜けた表情になる。
その姿を見て今回の引っ越しを機に同居することとなった同居人が「なんて顔してんの」と強い言葉を投げてきた。
「いやー、ゲーム機が壊れてなくて良かったなあと思ってさ」
「そりゃそんだけ厳重に、プチプチで包んだら大丈夫よ・・・」
僕の周囲には大量の緩衝材(いわゆるプチプチ)が散乱していた。
全て引っ越しの際にゲーム機を包んでいたものである。
ちなみにwiiだけではなく、PS3やXboxなんかもグルッグルに包んだものだから、プチプチはこんもりしたと山の様になっていた。
せっかくゲーム機を起動させたのだ。久しぶりにガッツリと遊びたいところだけれど、まだまだ引っ越しのお片づけは残っているし流石にそうもいかない。とりあえずその日は、ログインできるかといったネットワークのテストだけをしようと思った。
wiiリモコンを操作して、ポインタをドラクエ10のアイコンにセット。
ドラクエお馴染のファンファーレが流れテンションが上がるも、「ダメダメ。今日はログインだけ・・・」と首を振って自制する。
幸い、ネットは問題なく繋がっているようだ。
溜まっていたドラクエ10のアップデートをゴ~リゴリと済ませる。
今か今かと待っていると、やがて見なれたログイン画面が表示された。さてさて準備は整った。
「皆の者、用意は良いか?」
僕は精いっぱい渋い表情をしてボソリと呟く。
気分は武将である。合戦場に佇み、一番槍という名誉を見事に果たすべく馬上で気を高める、立派なヒゲの武将そのものである。
空は快晴。抜ける様な青空を突き刺すかのように、いくつもの死線を潜り抜けた愛用の槍を高々と掲げ、いざ!
いざ参ろうぞ約束の地、アストルティア―――
「さっさとログインして、終わったらお片づけ手伝って!」
「はい、すみませんでした」
ヒゲ武将は戦場で輝く機会も無く、同居人の激によって無念の討ち死にを遂げた。さらばヒゲ武将。そなたのことは忘れはせぬぞ。
というわけでログインである。さっさとログインしないとまた怒られてしまう。ヨイショと僕はボタンを押しこんだ。
「・・・あれ?」
しかし画面には見慣れない警告文が表示され、ログインに失敗してしまった。
更にパスワードもリセットされる始末である。
予想外の出来事に「えっ? えっ??」となるもこんな時は慌てても仕方ない。僕は落ち着いて警告文に目を走らせた。
正確な内容は覚えていないが、どうやら引っ越しが関係しているようだった。
つまり今回は引っ越し先の部屋から初めてログインしたわけだけど、それをドラクエ10のサーバーが「このユーザー、いつもと違う場所からログインしてる・・・不正アクセスかも!?」と判断したため、ログインが失敗に終わりパスワードもリセットされたということらしい。
ちょっとこれは意外な出来事だった。
でもまあ、wiiでネットに繋ぐ際はいつも同じアクセスポイント(というか自宅)だろうし、一定の効果が見込める対策なのかもと思う。
「ログインできたー?」
「ううんー、なんかパスワードの再設定が必要みたい」
同居人の問いに答えながら僕はパスワードの再設定を試みる。
適当な文字列をカチャカチャとPCのキーボードで打ち込み、再設定完了。
改めてドラクエ10のログイン画面にアクセスし、新しいパスワードを入力して―――
【IDかパスワードが違います】
またしてもエラー文である。
あれ、パスワードの入力を間違えたか?
僕はもう一度、ゆっくりとパスワードを入力する。しかし、
【IDかパスワードが違います】
あれー? ログインできないぞ。
もう一回・・・もう一回・・・。
【IDかパスワードが違います。】
あれれれーー??
僕、新しいパスワード、なんて設定したっけ・・・?
完全にド忘れしてしまった・・・。
といった感じで何回かパスワード入力に失敗し続けるとこんなエラー文が表示された。
【不正アクセスの疑いがありますので、一定時間本アカウントを凍結します】
「うおおおおお!」
それを読んだ瞬間、僕は思わず座っていた座イスごと後ろにひっくり返りながら叫んでしまった。
「なに? どうしたの!?」
「ドラクエ10にログインできないいいいいい!」
28歳成人男性、ドラクエ10にログインできず大泣きである。
「しとぎいいいい! うおおおお・・・・」
思わずキャラの名前を口にしてしまう。
なんだかんだ、作ったキャラには愛着があるものだ。
キャラクターを削除されたわけでもないが、やっぱりションボリしてしまう。
そんな僕を見かねたのだろうか。
同居人が片付けの手を休めて近づいてきた。
「しとぎは今、なにしてるの?」
僕は「んー・・・」と考えながら答える。
「しとぎは今、酒場に預けられてるよ」
「あー、それはダメだわ」
「ダメって?」
「ここ最近、しとぎと遊んでないでしょ?」
「うん、遊んでない」
11月は職場環境も変わった。引っ越しもした。
さすがにバタバタでゲームで遊ぶ時間もめっきり減ってしまった。
「急に遊ばなくなったから、しとぎ拗ねちゃったんだよ」
「・・・あー」
「拗ねちゃって酒場でヤケ酒してるんだよ、きっと」
「あー、そうかー・・・」
なんとなく納得してしまった。そうか、そうかもしれない。
拗ねて酒飲んでるのか。ありえる。確かにありえる。
「だから急にログインしても遊んでくれなかったのかな?」
「うん、きっとそうだと思う」
「マジかー。そういうことかー」
テーブルの上に置かれたwiiのクラコンをぼんやりと眺めた。
そーだよなあ。急に酒場に預けられて放置されたら、誰だって寂しいよなあ。
「どうしたらしとぎ、機嫌治してくれるかな?」
「一晩寝れば治るよ。また明日、遊ぼうって誘ってみたら?」
「・・・うん、そうする」
翌日、落ち着いてパスワードを再設定したら問題なくログインできた。ホッと一安心したら、また顔がホワワワワ~ンとなって同居人に笑われた。
ネットのセキュリティはガッチガチに固めれば固めるほど、不便さが生じるものだ。見方を変えればどこでも簡単に接続できて便利であればあるほど、セキュリティの面では不安が残るとも言える。あとはもう安全と利便性のどちらを優先しますかというお話になってくる。
今回は僕の不手際でこんなことが起きただけだ。不正アクセスされないことが一番だし、こういう対策の導入は良いことだと僕は思う。
お休み中、多くの冒険者に雇われていたしとぎは30,000ポイント近くもの経験値を土産にやってきた。
彼女は僕が休んでいる間にどんな冒険者に雇われて、どんなことをしたのだろう。
気になって尋ねるも、彼女は「しとー!」と答えるばかり。さっぱりわからない。
さて、ちょっぴり浦島太郎になっちゃったけど、別に誰かと競うわけでもない。またゆっくりと僕だけの冒険をアストルティアで楽しもうと思う。
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