アルカパの酒場で(勝手に)交わした約束
DS版ドラクエ5には、仲間に話しかける機能が付いている。
ビアンカと行動を共にすることになり、主人公にも話相手ができた。
僕はこのシステムが大好きだ。DS版ドラクエ5一番のウリと言っても過言ではない。
スーパーファミコン版には伺うことのできなかった、仲間のその時その時の気持ちを簡単に知ることができる。
そして会話パターンの膨大なこと。膨大なこと。
なにしろ村人一人一人と話す度、異なるリアクションを返してくれるのだ。
このシステムだけでもDS版を再プレイする価値はあると、お世辞抜きで思う。
例えば一つ、例を挙げよう。
アルカパの村の、出入り口を守っている兵士のお兄さんに話しかけてみる。
すると彼は、
「モンスターが村に入ってきたり、君達のような小さな子が飛び出していかないように見張っているんだよ」
なんて答えてくれる。
その後すぐにビアンカに話しかけると、
「あんなこと言ってるけど、夜中は近くで寝ちゃってて、全然見張ってないんだから」
なんて感じで教えてくれるのだ。このシステムは非常に楽しい。
そんなわけで、なにかある度に僕は仲間に話しかけて、そのリアクションにニヤニヤしている。
こんな人間が現実にいたら、うっとおしいことこの上ないだろう。
なにしろ事ある度に、
「ねえ!今どんな気持ち!?どんな気持ち!?」
なんて聞いてくるようなものだ。
そんな仲間の気持ちなんてなんのその。
僕はアルカパの村を隈無く歩き、村人全員との会話を楽しむ。
印象に残る会話はいくつもあったけれど、さすがに全ては書ききれない。
なので、特に印象深かった会話を残したいと思う。
それは夜、ビアンカと共にアルカパの酒場に立ち寄った時のこと。
まだまだ幼い主人公とビアンカだ。入店するとバーカウンターに立つお姉さんから、
「ここは大人になってからね」とたしなめられてしまった。
僕はビアンカの反応を伺う。すると、
「やっぱり子供だけで酒場に来るのは悪いことよね。
そうだ、大人になったら、また一緒にここにこようよ。約束だよ!」
と彼女は返してきた。
なんかもう、このセリフだけで、僕は泣けてしまったのだ。
例えば昔のクラスメイトと久々に会う時、
もう僕のような年齢ともなると大抵はお酒の席で会うことになる。
昔は一緒の教室で退屈な授業を受けていた友人と、お酒を飲む。
会話のノリは昔とそれほど変わらないのに、
僕たちはすっかりお酒を飲んでも怒られないくらい年を重ねているのだ。
よく「昔の友人と会ったら、○年前に戻った気分だ」と言うけれど、
正にその言葉が一番正解に近い。
僕はその感覚を得る度に、全身がなんだかむず痒くなってしまう。
でもやっぱりお酒の席は楽しい。
だからお店のスタッフがラストオーダーを取りに来る時は切なくなり、
別れ際には少しだけ涙目になるのを隠すのにいつも苦労する。
大人になった主人公とビアンカはどんな話をするのかなあ。
やはり思い出話に花が咲くのだろうか。
それとも同窓会を楽しむ僕たちのように、
「お前も変わんねえなー」なんて笑いあうのだろうか。
17年前、当時ドラクエ5を初めて遊んだ僕は今、大人になってアルカパの酒場にきている。
早く主人公とビアンカにも大人になって欲しいなと思った。
そしてなんとなく、大人になったビアンカとアルカパの酒場に来る機会があれば、
そのタイミングでお酒を飲もうと決めた。
いつか三人でお酒を飲もう。
それまでは一足先に僕一人で、お酒を楽しむことにしよう。
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