トンヌラは褒め言葉なのだろうか?
突然だけど、僕は1984年に生まれた。
誕生日は7月8日。毎年誕生日が近づくと母親に
「どうして七夕に生んでくれなかったんだよ!?」
と無茶なことで噛み付いていた。その度に母親は負けじと、
「どうして出てこなかったのよ!?」
なんて僕を叱るのである。今思えば、どっちもどっちだなと思う。
父親は地元の警察官をやっている。
不況が続くこの時代、親が警察官だと言うとよく、「この金持ちめ」
なんて軽口を叩かれるのだが、僕が生まれた1984年はまったく逆の風潮だったそうだ。
よく言われるバブル景気は僕が生まれた3年後の1987年から1990年あたり。
まだバブルに突入してはいないものの、民間企業は軒並み儲かっており、
逆に公務員の収入は少なかったらしい。
当時、母親は銀行の窓口に勤めていたそうだが、同僚へ結婚相手は公務員だと伝えると、
「えーっ!? 公務員!? あんたバッカじゃないのー?」
なんて笑われたそうだ。2012年の現代とはまったく逆である。
ドラクエ5をボンヤリと進める。
画面には、どこかのお城が映し出されていた。
その中で、一人の男性が妙にソワソワして、城内をウロウロとしている。
どうやら、出産間近らしく、男性はこれから父親になるらしい。
やがて元気な産声が聞こえると、男性は嬉しそうに妻の名を呼ぶ。
そして生まれたばかりの主人公を抱き上げながら、こう語りかけた。
「この子の名前はトンヌラにしよう!」
(・・・トンヌラ!?)
思わず僕は画面を二度見してしまった。
男性――パパスのネーミングセンスについてはもう既に、全国至るところで話題になっているので
僕が書くことはそんなにないのだけれど、「トンヌラ」という名前はなんともいえない響きだよなあ。
トンヌラ。
強そうか弱そうかと問われると間違いなく弱そうなのだが、
主人公の誕生にあんなに喜んでいたパパスが、
なんらかの悪意を持って名付けようとしたとは到底思えない。
もしかしたらトンヌラというのは、ドラクエ5の世界では由緒正しい名前なのかもしれない。
もしくは最上級の誉め言葉とか?
例えば道行くお婆さんがモンスターに襲われているとして、そこを颯爽と助けると
「ありがとう、あなたはトンヌラですじゃ!」
とか言われたりするのかな。いや、さっぱり意味不明だけども。
結局、トンヌラという名前はボツになり、
妻のマーサが提案した「かすてら」が主人公の名前となった。
主人公を抱き上げながら幸せそうに微笑むパパスとマーサを見たら、
なんとなく地元の父親と母親を思い出してしまった。
彼らも僕が生まれたとき、こんな表情をしたのかな。
面と向かってそんな質問をするなんて、そんな恥ずかしいことはしないけど、
お盆にはちゃんと帰省しよっかな、なんて思った。
そろそろ、ちゃんと親孝行してやらんといかんよなー。。
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