結婚を機にドラクエ5を再プレイしてみた。
「結婚してください」
まさか僕の口からこんな言葉が出る日が来ようとは思わなかった。
我ながら似合わないことを言うなあと思う。
2011年のクリスマス、僕は結婚指輪を買った。
給料三ヶ月分とはいかないけれど、今までの人生で一番高い買い物だった。
クリスマス商戦でごった返す新宿の伊勢丹宝飾品売り場。
その中にある、とあるお店のレジの前。
震える手でヨドバシカメラのクレジットカードを差し出しながら「ぶ、分割でお願いします」
と言ったあの時の僕は、どんな顔をしてたんだろう。
若干、涙目であったことは間違いないと思う。
それでも指輪を渡すと彼女は喜んでくれて、僕も素直に嬉しかった。
良い買い物をしたなあーって思った。幸せだなって思った。
でもなぜだろう。
僕の中で「結婚するんだ」っていう実感は、想像よりもずっと小さかったような気がした。
もちろん、いい加減な気持ちで「結婚しよう」なんて伝えたわけじゃない。
ずっと一緒にいたいなと思ったから伝えた。それは間違いない。100%の自信がある。
とは言いつつ、そもそも僕は結婚という制度にはあんまり興味が無かったのだ。
結婚したいとかしたくないとかじゃなく、その制度事態に興味が無かったのだ。
まず第一に、彼女とずっと一緒にいたいという希望があり、
それを実現するために結婚という道を選んだ、というのが一番しっくり来る。
だからだろうか。
「僕は結婚するんだ」っていう実感が思いのほか小さいのは。
そんなわけで、結婚ってなんだろうなあと、ぼんやり考える日々が続くのである。
父親・母親のことを考えたり、周囲の既婚者にそれとなく尋ねてみたり。
それでも僕のモヤモヤは晴れないのである。
そんなある時、ふっと、結婚について考えるのはコレが初めてじゃないことに気付いた。
今からもう17年程前のこと。確か小学生五年生位だったと思う。
当時僕はスーパーファミコンのドラクエ5を夢中になって遊んでいた。
ご存じの通り、ドラクエ5はその冒険の途中で、ビアンカ、フローラという二人の女性の
どちらかと結婚するイベントがある。
世の中にゲームは数多くあるけれど、RPGのジャンルで結婚相手を選ぶなんてのは、
今の時代で見てもかなり珍しい。
当然、結婚の相手はどちらか一人であり、当時の僕は相当頭を悩ませた。
クラスの友達には顔を合わせる度に
「なあ、おまえはどっちと結婚した?」
と質問攻めにした。
ドラクエ5の話だと知らないクラスメイトや先生が聞いたら、
奇妙な会話に聞こえただろうなあ。
『結婚とはなんぞや』
僕は今年で28歳になる。もうすっかりオジサンだ。いい大人として扱われる年齢だ。
仕事には行きたくないし、目・肩・腰は辛いけど、酒は旨いし、
ちょっぴりお腹も出てきた。
だから『結婚とはなんぞや』って聞かれたら、ある程度のことは答えられる。
「男は18歳、女は16歳から法律上結婚することが出来て、
市役所に婚姻届を出せば夫婦となる。はい、結婚の出来上がり♪」
なんて、ちょっぴりドヤ顔して答えることができる。
ところが、例えば風呂場の鏡に映るもう一人の僕がポッカリ姿を現して、
「おまえさん、結婚するんだぜ? 大丈夫かい?」
なんて尋ねてきたら僕は、
「あー、そうですか。結婚ですか。…ところで、結婚ってなんなんすかね?」
とか答えてしまいそうなのだ。
大丈夫か僕は。ちゃんと結婚できるのか?
しっかり、結婚について理解しているのか?
そんなわけで僕は今、結婚について物凄ーく悩んでいるのである。
あ、もちろん彼女との結婚を後悔しているとか、そういうわけじゃないです。
傍から見れば単なるマリッジブルーで片付けられそうなんですが、
本人は至って深刻だったりするのです。
……たぶん。
そんな時、なんとなくではあるのだけれど、
(もう一度ドラクエ5を遊べばなにか気付くことがあるかもしれない)
なんて思ってしまった。
当時、結婚について真剣に悩んでいた僕は
17年の歳月を経て、
改めて結婚について真剣に悩んでいる。
幸いドラクエ5はDSでリメイクされている。
もうストーリーもほとんど忘れてしまったし、丁度良いかもしれない。
そうだ、ドラクエ5をやろう!
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