人様はからかうもんじゃない
前回の冒険でようやく「炎の指輪」を手に入れることができた。早速サラボナで待つルドマンの所へ向かう。会いに行くと彼はたいそう目を丸くしながら、
「おお、よくやった! 初めは少し頼りないかと思ったが、なかなかやるじゃないか」
と出迎えてくれた。
「では、とりあえずその指輪は私が預かろう。良いかな?」
ルドマンにそう尋ねられ、「はい」「いいえ」と選択肢が現れる。
ドラクエの選択肢というのは、その出現タイミングが絶妙だ。どうしてこの選択肢が出ると、人は天の邪鬼になったり意地悪になったりするのだろう。僕はニヤニヤしながら「いいえ」を選ぶ。
「いいえ」
「なんと、ではフローラとの結婚を望まないと? ハッハッハッ! それは面白い冗談だ!」
ルドマンは僕の選択肢を完全に冗談だと思っていた。
「では、とりあえずその指輪は私が預かろう。良いかな?」
仕切り直したルドマンのセリフの後に再度、「はい」と「いいえ」の選択使。もちろん僕の答えは決まっている。
「いいえ」
「なんと、ではフローラとの結婚を望まないと? ハッハッハッ! それは面白い冗談だ! ではとりあえず(以下略)」
「いいえ」
「なんと、ではフローラとの結婚を望まないと?ハッハッハッ!それは面白い冗談(以下略)」
ドラクエの伝統芸ともいえる、「いいえ」を認めないループが永遠と続いた。ひととおりルドマンをからかった後、満足した僕は炎の指輪を渡した。
すると彼は、「水の指輪を探すのに必要だろう」ということで、船を一隻貸してくれた。持つべきものは金持ちの知人・友人である。よくよく考えたら主人公はラインハットの王族とも親好があるし、ここで大金持ちのルドマンとも仲良くなっておけば色々良いこともあるだろう。いつのまにか世渡りを覚えた僕である。こうしてみんな、大人になっていくのだ……たぶん。
それにしてもルドマンのフローラへの溺愛振りは物凄い。やはりいくつになっても娘というのは可愛いものなのだろう。この感覚は自分にも娘が出来たらわかるのだろうか。
なんて考えるとルドマンの先程の発言もなんとなく理解できる気がしてくる。なにしろ自他共に認める自慢の娘だ。大切な娘の結婚だからこそ、盲目気味になっているのかもしれない。
ちょっと、ルドマンには悪いことをしたかもしれないなあ。もう一つの水の指輪が手に入ったら、次は素直に渡してやるか。
主人公一行は船に乗り、水の指輪を探す宛のない旅が始まる。再プレイとはいえ、このへんのストーリーはさっぱり覚えていない。、すぐに見つかると良いんだけどな。
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