初めて爪を本格的に装備した日。
もうすぐ僕は20代最後の年を迎えようとしている。最近になってようやく自分の性格というか傾向というか、そんなものがわかってきた。たぶん、同じことをダラダラと続けることが好きなんだと思う。
格闘ゲームだと基本的に一人のキャラを延々と使い続けることが多いし、3年もいれば思いっきり古株扱いとなる程に離職率の高い現在の職場でも、在職期間7年目を迎え、社歴最年長として現在も働いている。昼食や夕食は5日間ぐらいなら同じメニューが続いても全然平気だし、ニコニコ動画で作業用BGMを聞くときも一か月くらい同じ音楽を延々と再生している。
前向きに言えば適応力があって我慢強いとも言えるし、悪く言えば決断力がなく新世界に飛び込むことを極端に嫌がるとなるだろう。今更自分の性格が簡単に変えられるわけでもないし、良い要素も悪い要素も半々だろうから、この性格事態に嫌気が差したことはない。
この性格はドラクエ10のプレイ内容にもしっかり表れていて、具体的にいうと「素手(格闘)を貫く」という感じになる。ドラクエ10には様々な武器が用意されていて、例えばメインキャラとしている武闘家にも爪、棍、扇と魅力的な武器が3種類もある。それでも僕は素手が好きなので、それらの武器はほとんど触らずにずっと素手でゲームを続けてきた。
レベルが低いうちはとても強力な攻撃手段だけど、レベルが40を超えたあたりからはどうしても息切れしてくるのが素手の弱みだ。個人的にはしょんぼりな要素だけれど、素手が強かったら武器の意義が無くなってしまうしゲームの設計としては正解だと思う。まあそんな素手ですが、前述の性格なのでずっと素手を続けてきたわけです。
そのままレベル60に差し掛かってきたころだろうか。さすがに素手では強力なモンスターにダメージを与えることができなくなってきた。レベル相応のエリアに出現するモンスターに苦戦することが多くなり、「これは流石に辛いなあ・・・」なんて状況になってきた僕はようやく素手から卒業して武器を装備することにしたのである。
もちろん素手には愛着があるし、こういった形の卒業には少しばかり心残りもある。けれど前向きに考えれば、せっかく武器を装備することの楽しさがあるのだからそれを楽しまないのは勿体ない。もう二度と素手に戻れなくなるわけじゃあなし。オンラインゲームはアップデートによって大きくゲーム内容が変わることだって珍しくない。きっとまた、素手で遊べる時が来るさ。
そうと決まれば、問題はどの武器を装備するかである。武闘家の装備できる武器は前述の通り、爪、棍、扇の三種類。その中でもド安定というか、安定して強いと言われている武器は爪だろう。爪には「タイガークロー」という強力な特技があり、その安定した高火力は多くの冒険者を助けてきた。これまでのアップデートで消費MPが増加したりダメージ低下の修正を受けてはいるが、個人的にはそれでも十分強い特技だと思っている。
せっかく武闘家を育てているのだから、一度くらいメジャーな爪を装備してその強さを体感してみるのも勉強だろう。そう思った僕はこれまでお世話になった素手へのスキルポイントを解体し、爪に振り直しを始める。あっさりと「タイガークロー」を会得し、さっそく手近な敵の元へ・・・と、ここで回れ右。肝心の爪武器を装備していなかった。逸る気持ちを抑えながら近所の競売所へ行き、手頃な爪武器を探す。お財布と相談しながらドラゴンクローという武器を買った。なんとなく名前に魅かれたというのも大きい。
装備画面を開きマイキャラに早速ドラゴンクローを装備させた。ドラクエ10発売からはや10か月近く。そのほとんどを素手で過ごしたマイキャラが初めて立派な爪装備を掲げる姿に思わず「おおっ!」と声が出た。なんかもの凄く強そうに見えるのは僕だけだろうか。単なる親バカに近しい感情だろうか。
僕は早速、試し斬り!と言わんばかりに、街の近くに生息するモンスターに「タイガークロー」を放った。単純比較は難しいけれど、素手の時と比べて安定して2倍以上のダメージを与えたその事実に思わず「おほっ」と声が漏れた。これが武器か。これが爪の強さか・・・!
というわけで、サービス開始当初から素手の格闘武闘家として生きてきましたが、最近になって爪を装備しています。素手を貫けなかったことに残念な気持ちはありますが、常々変化し続けるドラクエ10の世界をしっかりと見て回りたいから、しばらくは爪を装備して冒険を続けたいなあと。
Glove in the hood / fotografar
でもいつかまた、素手に戻りたいな。工夫しだいで素手でも戦える時代になったらすぐにでも戻したい。
誤解の無い様にしたいのは、爪は爪で楽しいし、一部で「強すぎ!」と騒がれるタイガークローを僕は決して悪だとは思わない。強い技もあれば微妙な技も存在する。ゲームのバランス調整って本当に難しいから、僕はそのバランスの変革を楽しみたいと思う。
ただ素手にだけは個人的に特別な思いが強い。初めてドラクエ3を遊んだ時、武器や防具が当たり前の世界で素手と最低限の装備だけで活躍する武闘家を見て、とても格好良いと思ったんだ。会心の一撃がズガガガガン!という効果音と共に出るたびに、「うっひょー♪」って感じたんだ。
しばらくはその拳を休めたい。またいつか、素手で戦える日が来ると嬉しいな。
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