【思い出ピコピコ】428 ~封鎖された渋谷で~
「428 ~封鎖された渋谷で~」(以下「428」)はチュンソフトが展開するサウンドノベルシリーズの一つであり、名作と名高い同シリーズの「街」の遺伝子が強く残るゲームだ。ちなみに「428」と書いて「よんにちはち」と読む。渋谷でもないし四谷とも読まない。
2008年にwiiで発売され、その後はPS3、PSPに移植された。iOS版でも展開しており、ちょうど今なら半額で購入することもできるので今回取り上げた次第だ。(2012年12月20日(木)から翌年1月6日(日)23時まで)
基本的にゲームは実写で展開される。
渋谷の街を舞台に多くの人物の行動や思惑が、まるで渋谷名物であるスクランブル交差点のように幾重にも交錯するサスペンスストーリーとなっている。
サウンドノベルはちょっと・・・という方も多いかもしれない。確かに基本的には文字を読むという行為が続くので敬遠してしまう気持ちもわかる。けれど通常の読書が苦手というだけで、サウンドノベルも敬遠してしまうのは勿体無いと僕は思う。
同じ「文字を読む」という行為でも、従来の本とサウンドノベルでは印象が大きく異なるものだ。BGMが流れたり、重要な選択肢を自らの意思で選んだり、ページ順に縛られずに好きな人物から読み進めたりと、サウンドノベルならではの演出がそこにある。
さらに総撮影枚数12万枚という、途方も無い労力の末に絞り込まれた実写の数々は暴力的なまでに読者を「428」の世界へと引き込んでいく。抗えなくて、抗いたくない魅力を僕は感じた。
「428」は万人にオススメしたい、けれど詳細については何も話したくないという非常に厄介なゲームだ。
サウンドノベルだからストーリーが命であり、ここで僕が変に「あのキャラが格好良かった!」とか「あそこで大ドンデン返しが君を待つ!」みたいに、無粋で、まだ幸運にも「428」について何も知らない方の真っ白なキャンバスを汚すようなことはしたくない。
どうか、ネタバレ要素を全て遮断して楽しんで欲しい。極力レビューも感想も読まず、面白そうだと思ったらその感性だけで試して欲しい。
なんかラーメン屋のガンコ店長みたいな紹介で申し訳ないのだけれど、こんな紹介しか思いつかなかった。勘弁してください。
冒頭にも紹介した通り、「428」はwii、PS3、PSPと幅広い機種で発売され廉価版になっている。
それにiOS版は年末年始、半額の900円で楽しめる。iPhoneかiPadユーザーなら、年末年始の移動時間に楽しむのも良さそうだ。
正直、900円で「428」が遊べるなら駅弁を食べるのを忘れてしまうほどのめり込むからトントンじゃないかとすら思う。(でも没頭して乗り過ごさない様に注意して! 笑)
このサスペンスは同じ文章でも、従来の書籍じゃ表現できない。同じ実写でもドラマや映画には決してなりえない。サウンドノベルだからこそ実現した、奇跡のバランスの上に成り立つ作品である。
この文章を書いてる前後、マヤ歴で世界が滅ぶなんてことが言われている。滅びはしないと思うけど、もしかしたら滅んでしまうかもしれない。それは誰にもわからない。
それでも「428」の事をこうして振りかえると「世界はそれでも変わらない 謎のまま」なんて笑い飛ばせる。そんな気がするのは、僕だけだろうか。
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