【思い出ピコピコ】ROOMMANIA#203(ルーマニア203)


ルーマニア203は誤解を恐れずに言うと「変なゲーム」だ。今迄それなりにたくさんのゲームを遊んできたけれど、ルーマニア203に似たゲームを僕は見たことがない。

プレイヤーは主人公の青年、ネジが住んでいるとあるアパートの妖精? 神様? みたいな存在となり、彼の生活を見守っていくゲームだ。


Room / i_yudai

基本的にネジは彼のペースで日々生活している。外出をしたり、音楽を聴いたり雑誌を読んだり・・・。どこにでもいる平凡な彼は平凡な時間を平凡なアパートの203号室で過ごしている。

プレイヤーはそんな彼に様々な悪戯を仕掛けることができる。

例えばネジが外出している間に、こっそりコタツの場所を変えたりする。そして帰宅した彼がコタツの異変に気付き「うええっ!?」と驚く様子をニヤニヤしながら眺めたりするのだ。

本当にルーマニア203は変なゲームだと思う。でも、だからこそ記憶に強く残る。
10年以上も前に遊んだゲームなのに、この文章を書きながらネジの「うええっ!?」と驚くリアクションを思い出し、またニヤニヤしてしまった。幸せな思い出だ。

妖精? 神様? であるプレイヤーが何もしないとネジの生活は平凡なままである。
しかし、プレイヤーの些細な悪戯によって、ネジの人生は思いも寄らず波乱に満ちた展開になっていく。

それでもプレイヤーはネジを操作することができない。
様々な状況に立ち向かうネジをプレイヤーはニヤニヤ、ハラハラ、オロオロ、ドキドキしながら見守るだけである。

もちろん具体的なシナリオについてはここでは触れない。
でもきっと彼の全てを見守り通した時、平凡な青年であるネジのことを見直す時がくるかも・・・こないかも。

繰り返すけどルーマニア203は「変なゲーム」だ。

名作だ!と評する人もいる。逆に何をしたら良いか分からず、平凡に過ごすネジの生活だけを見せられたプレイヤーはクソゲーだと話す。

実は僕も最初、このゲームはクソゲーだと思った。当時、試験的に全国のTSUTAYAでドリームキャストのゲームがレンタルされていて(体験版じゃなくて製品版!)、僕はそこで初めてルーマニア203と出会った。

遊び始めは何をして良いかまったく理解できなかった。ネジがゴロゴロと生活する様子を延々見せつけられ、「これはクソゲーだわ」と思った。
しかし本ゲームのBGMがとっても素晴らしく、曲を聴くためだけにもう一度、ルーマニア203をレンタルした。そして偶然にも、とある悪戯からネジの人生は大きく変化し僕はゲームにのめり込んでいったのである。

ほんの3カ月前までは1Kのマンションに1人暮らしをしていた。
当時は実家住まいだったけど1人暮らしを経験した今なら、ネジが平凡な生活の中で見せる些細な行動や、テレビに独り言でツッコむ気持ちなど、いわゆる「1人暮らしあるある」ネタが満載だった事に気付く。

そういえば、今住んでいる部屋の番号が203号室だった。
―――なんだかまたネジに会いたくなっちゃったなぁ。

【オマケ】
僕がルーマニア203を再度レンタルするキッカケを作ってくれたのが、
ゲーム内で正体不明のアーティストとして登場するセラニポージ。
その独特な浮遊感を持ったサウンドは高く評価され、
生まれ故郷のゲームを飛び立ち音楽活動にまで発展しました。

youtubeでいくつか聴くことができます。
もし興味があればCDもチェックしてみて下さい。

セラニ好きが増えると僕は嬉しいなあ。

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本職はゲームライター。お仕事とは別に、個人の趣味でゲームの話題に触れていくブログ「その日草子」を運営中。大作RPGから格ゲー、ギャルゲーまでジャンルを問わないアラサー♂。けどホラーだけは苦手。お気に召した記事やお役に立てた記事があればシェア頂けると喜びます(・ω・)
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